2018-01-05

毎日の余白

いつも行くお店で

いつものメニューしか頼まないタイプの私は

ありとあらゆるものに対してあまり冒険をしない。


一度これだと思うものに出会ったら

しばらくの間それを使い続けるし

これ以上のものはないと過信までしてしまう。


まさに手帳がそうで、

2011年からずーっと

デルフォニクスの手帳を使ってる。


高島屋東急ハンズの手帳コーナーにずらっと並ぶ

いろんなメーカーの手帳を

2時間くらいかけて吟味して

この手帳が私に一番合っていると感じて以来

手帳は毎年デルフォニクスと決めている。





MY歴代手帳たち。

2013年の手帳はどこかに行ってしまって

見当たらなかった。

全部デルフォニクス。


私が手帳を選ぶ条件に

重くない、

分厚くない、

書き込めるマスが広い、

無駄なページが少ないって決めてるんだけど

全てパーフェクトな上にとにかく毎年色が可愛い。


毎年ポップな色や可愛い柄を出していて

今年はどんなラインナップかなぁと

公式サイトを毎年チェックするのを

楽しみにしてる。


ちなみに私が愛用してるのはB6サイズのキトリ。


今年も毎度のことながら

可愛い色がたくさん出ていて

オレンジと悩んだ結果、今年はクリーム色にした。





シンプルだけど可愛い。

たくさん書きこむ。


そしてつい先ほど

デルフォニクス一筋で過ごしてきたこの7年間で

初めて浮気心が芽生えた。


それがこれ。



MIDORIのMDノートブックダイアリー…。


もともとMDノートの大ファンで

ノートにしては値段がちょっとお高めなんだけど

余計なものが一切ないシンプルなデザインと

180度パカって開くところと

紙の描き心地の良さに惚れ込んで

今まで何冊か購入して落書き帳に使っていた。





これが私のストックしてあるMDノート。

A4サイズとA5サイズ。

実際描きこんでるやつは

表紙に落書きしてあるから恥ずかしくて

見せられない。笑


いつも本屋さんの文房具コーナーで買っていたから

MDノートから手帳が出てるなんて全く知らなくて

ついさっきそれを知って驚きのあまり

「えっ」と声が漏れた。

しかも公式サイトで調べてみたら

中身もめっちゃ良さそうなんだ。







良さげな予感しかしない…。


この余白感がめっちゃいい。

デルフォニクスの危機到来。


でも今年の手帳はもう買ってしまったから

来年これにしてみたいという気持ちが

ふつふつと湧いてきてる…。


冒険するのが苦手なので

乗り換えるのはちょっと怖い。


手帳でこんなこと思うのも

馬鹿げてるかもしれないけど

手帳って私にとってかなり大事なものなので

悩む。とりあえず実物見て

中身と分厚さと重さみて決めよう。



あまりに良さげなのでついブログに書いたけど、

デルフォニクスとMIDORIの回し者でも

ステマでもないのでご安心を!笑


毎回何かオススメのもの書くたびに

これ言ってるけど念のため一応。




文房具が大好きで

ペンとかノートとかマスキングテープとか

使う用途も決めずに買ってしまうんだけど

そのせいで家に未使用の

ペンとノートとスケッチブックとマステと付箋が

見事に溢れかえってる。


世界堂なんて行ってしまったら最後

お財布の紐が緩みまくりだし、

いつもは買うのをためらうような値段のものでも

「えっ安!これ買いじゃん!」と金銭感覚すら

変わってしまうから恐ろしい。

まるでディズニーランドで買い物してる時の金銭感覚。


好きなペンも紹介しておく。






手帳に文字を書き込む用のペンはこれ。

チェコの老舗ペンメーカーcentropenってところの

ergolineとDOCUMENTってやつ。


ergolineの方は3年前くらいに

青山のCIBONEで大量に買った。

今は取り扱いあるかどうかわからない。


DOCUMENTの方は

2ヶ月くらい前に中目黒の蔦屋書店のレジ横にある

文房具コーナーで買った。


特にergolineが大好きで

めちゃくちゃ書きやすい最高!ってほどではないんだけど

(多分ユニボールのシグノとかの方が

万人受けする書き味な気がする笑)

手軽な感じが持ち運びに向いてて

スルスルっとした軽い書き味なのが

手帳に書き込むのに向いてるなぁと思って

超愛用してる。





お絵かき用ドローイングペンはこれ。

FOR DRAWING。

ドローイングペンも家に100本以上はあるし

本当にたくさん試したけど

これが一番私には描きやすいと思った。

これは世界堂で購入。


ブラウンもあるんだけど

茶色の色味が可愛くてそれもお気に入り。

ちょっと持ち手の部分が太いのがネックだけど

気にしなければ全く問題ない。



そんな感じ。

最近デジタルばっかり描いてるから

またアナログもぽつぽつ描こう。

こないだノートに人物画の練習してたら

指でズームしようとしたり

元に戻すのボタン押そうとしたりしてしまい

慣れっておそろし~と思った。





2018-01-04

2017

今更だけど2017年のことを振り返る。


2017年は、今まで生きてきて一番

「分岐点」という言葉が当てはまる一年だった。


2月に決意して、生活を完全に切り替えた。


うまくいく保証もまったくなく

見切り発進で不安だらけだったけど

一度決めたからには突き進むしかなくて

ひたすら描いた。


この仕事を始めて

人間関係は前にも増してグッと狭くなったけど

新しい出会いもたくさんあった。


右も左もわからぬまま色々と始まって

戸惑う事も沢山あったし

緊張して喉の奥がビリビリする感覚も

初めて味わった。


考え出したらきりがないくらい

あの時もっとこうすれば

ああすればなんて事が頭に浮かぶけど

なんだか漠然とこの1年は自分のこの先の人生において

かなり重要で、必要な1年だったんだって気がしている。



今ありがたいことに少しずつ

漫画の仕事をいただけるようになって

だんだんと新しい課題も見えてきた。


ここ数ヶ月はとにかくその課題が重くのしかかってきて

苦しくて、もどかしくて、辛かった。


周りを見渡せば

絵が上手い人や才能に溢れた人がたくさんいて

常に自分の背後に嫉妬と焦りがあって

今の私がどうなりたいのか見えなくなったり

気持ちばかりが焦って

自分のしてきた点が線としてうまく繋がるのかって

不安と恐怖に押しつぶされそうだった。


誰にも相談できないし

何かで読んだ「創作は孤独」って言葉を

強く実感したここ数ヶ月間だった。


とにかく自分の絵が嫌で嫌で仕方なかった。


そんな時に、仕事でお世話になっている人から

長いメールをいただいて

その優しさと、親身に寄り添ってくれる

温かさに感動して、大号泣してしまった。


手を差し伸べてくれたり

理解してくれる人がいつも近くにいてくれて

それってすごいことだよな、

当たり前のことなんかじゃないよなと

この時改めて思った。


とってもありがたく思う。




今年は精神的な成長だけじゃなくて

自分が描けないものをどんどん描けるように

技術面も磨いていかないといけないと思う。


絵が上手い人を見るとまず第一に

嫉妬が出てきてしまう癖がなかなか抜けないけど

(新年早々君の名は。を観て新海誠さんと

野田洋次郎さんの才能に大嫉妬した。笑)


その嫉妬すらもエネルギーに変えて

とにかく今は練習を重ねようと思った。


さらさら描いてる人や

自分が欲しくて仕方ないセンスを持つ人の絵を見ると

「なんでこの人こんなに上手いんだよ~!」とか

「いちいちセンス良すぎだろ!!」って

パソコンの画面に向かって嘆きこぼす日もある。


早くそんな人たちに追いつけるようになりたい、

本当にそう思う。


とっても絵が上手い尊敬してる方に

おすすめしてもらった、

ルーミスの人体デッサンの本。


最近それを見ながらちみちみと

人物画を練習しているんだけど

これがまあ難しい。


今まで自分は一体何を描いてきたんだってくらい

とにかく難しい。

骨格とか筋肉とか

全然理解してなかったんだなぁと発見する日々。

そして凹む。


とりあえず上半期は

この本の内容を参考にしながら

練習しまくることにした。


ルーミスの言葉が

前書きと後書きに書いてあるんだけど

めちゃくちゃ熱い言葉で綴られてて

これを読むだけでも買った価値が

あったなぁと思った。


良い本を教えてもらって嬉しい。

その人から刺激をよくもらってる。

ありがたい限り。



絵に関してはいちいち凹んだり嫉妬したり

感情の起伏が追いつかなくて困るけど

一つ一つ習得して地道にうまくなりたい。


好きなもんばっかり描いて

基礎的なことから逃げてきたツケが今

回ってきたのかなとも思うから、

この1年は勝負だー。




はぁ。こればっかり言ってるけど

早く絵上手くなりたい。

時間ってどんだけあっても足りない。

良い1年になるといいなぁ。


魅力的な人間になろう。

2018-01-03

汁のない肉じゃが

おばあちゃんが元日の夜、亡くなった。

90歳だった。



年末から危ない状態だったので

いつでも動けるようにと友人との約束も断り

初めて一人で年を越した。


その間、母からの電話があるたびに

ドキドキしながら出ていたけど

最初の「もしもし」の声色で安否がわかった。


訃報の電話で母は

泣きじゃくっていて、

何も聞かなくても全てわかった。


苦しむことも痛がることもなく

眠るように穏やかに息を引き取ったらしい。


認知症ではあったけど

死亡診断書には死因のところに

「老衰」と書かれていて

お医者さんからは

「寿命を全うし、多くの人間の理想的な形の死です」

と言われたらしい。



おばあちゃんとの思い出を少し書いてみる。


私が小さいころ

年に数回おばあちゃんの家に行くと

クッキーの缶の中にたくさん

ペンやマジックを揃えておいてくれた。


大きいカレンダーをしわ一つつけず

とっておいてくれて

真っ白な裏面に私がたくさん絵を描くと

目一杯褒めてくれた。


花の絵を描くのが上手だったおばあちゃんは

「みつこが絵を好きなところはきっと私に似たんだね」

といつも誇らしげに言っていた。


吉祥寺のロンロンの入り口にあった

いつもいい匂いがするチーズケーキ屋さんで

よくケーキを買ってくれた。


井の頭公園に行って

鯉によくパンの耳をあげた。


群がる鯉が怖くて

おばあちゃんとお兄ちゃんが餌やりするところを

後ろで「鯉、気持ち悪っ」と思いながら

見てたのを覚えている。


家族みんなで伊豆旅行に行って

豪華なご飯が出ると

私たちよりも量を食べるし

美味しそうに食べるおばあちゃんだった。

カニを黙々と真顔で食べてて

「せっかくの旅行なんだから、

みんなと会話してよおばあちゃん」

とお母さんに笑いながら突っ込まれてた。




おじいちゃんが早くに病気になって

亡くなったから、女手一つでお母さんの学費や

生活費を稼ぐために働いてたおばあちゃん。


朝も夜も働いてたから

家事をする暇もなくて

家のことを全て任された小学生の頃のお母さんは

そのおかげで料理が得意になったらしい。


そのせいか、私がたまに

おばあちゃんの家に遊びに行くと

汁のない肉じゃがとか

味のしないかぼちゃの煮付けなど、

お世辞にも美味しいとは言えない料理が出てきて


子供の頃は

「おばあちゃんのご飯美味しくない!」なんて

思っていたけど

今その背景を思うと

またあの汁のない肉じゃが食べたかったな

ってたまに思う。


本当に立派な人だったんだなと思う。


頑固で心配性で不器用なおばあちゃんだったけど

いつも一生懸命で真面目で優しかったな。


介護施設の人からも慕われてて

元日の夜にも関わらず

その日休みの職員さんが何人も

おばあちゃんの訃報を聞いて

施設に駆けつけてくれた。


それくらい皆に愛されてた

おばあちゃんだった。



21日間も毎日通いつめて

最後の4日間は施設に泊まり込みで

ほとんど寝ずにおばあちゃんに

つきっきりだった母のことが今は心配だけど

なるべく心が紛れるように

話し相手になってあげようと思う。


おばあちゃん、年が越せてよかったね。

苦しまなくてよかった。

たくさんの人に囲まれて最期を迎えられてよかった。

最後に笑顔で一緒に写真撮れてよかった。


おばあちゃんの訃報を聞いてすぐ

ベッドの上に座ってひとり泣いている時

部屋の窓を「コンッ」と1回だけ叩く音がしたのは

気のせいだったのかもしれないけど

もしかしておばあちゃんが来てくれたのかなぁなんて思う。




おばあちゃん、今までありがとう。