2018-11-11

纏う冬


冬につけるための香水を買った。


昔から香水収集が好きで

毎日メイクや服装を変えるのと同じように

その日の気分で香水を選んでころころ変えるのだけど

冬に纏いたい香りだけは

自分の中でかなり明確にあって、

不思議と毎日同じ香水をつけるようになる。



ずいぶん長いこと

バレードのジプシーウォーターが

そのど真ん中の香りで

今でもジプシーウォーター以上に自分の中で

「冬」という季節にしっくりくる香りはないのだけど

今年はちょっと気分を変えてみたくなって

新しく冬に纏う香りを探そうと思い立った。


そんな中ふらっと立ち寄った先で

見つけたのがこれ。


ジョーマローンのクリスマスコフレ限定

ホワイトモス&スノードロップだった。






お久しぶりのジョーマローン。


むかーし昔、

イングリッシュペアー&フリージアと

ピオニー&ブラッシュスウェードを買って以来

あまりチェックしてこなかったジョーマローン 。



限定ものの香水って、なくなってしまった時に

買い足せなくて切なくなりそうだから

今まで試すこともあえて避けてきたくらい

自分の中で買うつもりのないものだったんだけど

(限定コスメとかは大好きなのに謎だよね)

迂闊にも限定ものとは知らず

「おっ!新作かぁ」と思い込んで

試してしまったのが運のつきだった。



感じの良い店員さんがニコニコしながら

「先週発売したんですが、

すごい人気でかなり売れていて~」

と最初に渡してきたのはオレンジビターの方だった。


これは3年連続クリスマスコフレで

この季節に登場している人気な香りらしくて

なるほどたしかに人気なのも納得な

柑橘系の素敵な香りだった。

(毎年ストックで二本買っておいて

次の冬に出るのを待つ人もいるくらい

大人気な香りなんだとか)



でもな~わたしが冬につけたい香りって

こういうのじゃないんだよな~と思っていると

「こちらは今回新作で出たものです」と言って

もうひとつ渡してきた。


それが今回買ったホワイトモス&スノードロップだった。



降り積もった粉雪の中から顔をのぞかせる

スノードロップの花と地面に生える苔が

森に差し込む朝の光に照らされて

虹色に輝いているイメージ、という

なんとも美しすぎる光景から着想を得た香り。


もう嗅いだ瞬間から

「これ、わたし、大好きだわ!」というのが

はっきりとわかった。


香りに惚れる瞬間というのは

頭の中に稲妻が走る感覚に似ていると思う。

ジプシーウォーターに

一目惚れ(一嗅ぎ惚れ?)した時も

まさに同じくこの感じだった。



とはいえ限定ものだし

オレンジビターのように来年も出るかわからないし

つけ始めは良いけど時間が経てばどうなるかわからないし…と

買わない理由を自分に言い聞かせて

手首にワンプッシュして

そのままお店を離れて予約していた美容院へと向かった。



しかし、その後もずーっと頭から離れない。

(というかそもそもつけた手首から香ってくる)


ラストノートもわたしが苦手な

パウダリーな香りに転ぶかと思いきや

本当にギリギリのラインで転ばない。


あと数ミリでもずれたら

パウダリーになりそうなところまできているのに

どうにもこうにも、転ばない。

新鮮さと瑞々しさをちゃんと残して

綺麗に香ってくれるのだ。


どんどん頭の中で

「ああ~~~どうしよう、

これ好きかもしんない…」という想いが膨らんでいって

美容師さんにも手首を嗅いでもらい(笑)

結局そのあと足早に買いに行ったのだった。



ジョーマローンの香水って

どれもどこかジョーマローンらしさを

感じる香りだと思うのだけど

これは今まであったものとは少し違って

今までにない新鮮な感じの香りだなと思った。


ベースはかなり爽やかなグリーン調なんだけど

冬の寒さに合う苦味とスパイシーさもきちんと存在してて

木々の温もりのような要素もちゃんとある。


女性がつけても男性がつけても似合う

絶妙なポイントをつくテクニックが

ジョーマローンは本当に上手だなと思う。







あと、なんといってもこのビジュアル。

写真だと伝わりにくいけど

この冬の森林に差し込む朝日をイメージした

虹色のホログラム仕様の瓶が

とにかくはちゃめちゃに可愛くて、

とっても綺麗なのだ。

眺めているだけでテンションが上がる。

おしゃれと言うには程遠い雑然とした

わたしの部屋に置くのが申し訳なくなるほど。



わたしは香水が好きであること以前に

香水瓶オタクで、香水瓶のデザインを見るのが

昔から本っ当に大好きなのだ。


香りのコンセプトに沿って考えられた

素敵な瓶の数々を見ていると

香りそのものが好きじゃなくても

コレクター魂のようなものが掻き立てられて

つい欲しくなってしまう。(流石に買わないけど笑)



ちなみにこれは超余談だけど、

子供の頃流行ったポケモンカードの中で

一番好きだったのも

瓶のデザインが可愛いからという理由だけで

「エリカの香水」だった。笑







今回のホワイトモス&スノードロップは

暖かい春を待つ冬にぴったりの香りだった。

自分が頭の中で求めてたものよりも

ほんの少し上をいくような

稲妻が走るような出会いを果たすのは

なかなかあることじゃないから

出会えて本当に嬉しい。



欲を言えば、今年限りじゃなくて

オレンジビターのように毎年出るように

なってくれたらいいのだけど。


どうか定番化してくれますように!