最近、はちゃめちゃに
気に入っている本がある。
それがこの本、矢作ちはるさん著
「石の辞典」である。
もう何が素晴らしいって、中身はもとより、
紙質、装丁、綴られている言葉、
イラスト、書体、構成、
ページの余白から何から全てにおいてとにかく美しい。
つい最近、
「鉱物や石って吸い込まれそうになる
不思議な魅力や美しさがあるな」と思い、
少しだけ興味を持ち始めた。
でも石の世界ってかなり奥が深そうだし
まあちょっとかじる程度で…って気持ちで
東京で開催するミネラルショーの日程や
初心者入門的な石の本がないかなと調べていた途中で
この本の存在を知った。
ジャケ買いと言うべきか、
見た瞬間「うわっ素敵!」と感じて
レビューも見ないで即注文。
家に届いて袋から取り出す瞬間から
「きっとこれはパーフェクトな本だ…!」って予感がした。
そしてその期待を裏切ることなく、
本当に本当に素敵な本だった。
手に持っているだけで
こんなに気分が嬉しくなる本ってなかなかない。
(ページ丸ごと載せるのはちょっとあれなので、
見切れた写真でわたしのお気に入りのページを。
掲載許可いただきました)
まあ~~ほんと、
どのページも見惚れてしまうほど美しい。
そこかしこからセンスの良さが溢れている。
柔らかくてきれいな手書きのイラストの隣に
石の名前の由来や産地、歴史や成分などが淡々と綴られている。
中にはちょっとキザだなって感じるくらい
ロマンチックな意味をもつ石や、
見た目とは裏腹な大胆な意味をもつ石があったり。
そのどれもすごく丁寧な言葉で説明されていて
読んでてとても心地が良いし
次はどんな石だろう、と毎ページめくる楽しみに心躍った。
それでいて中身に全く無駄な説明は無く
きちんと辞典としての役割も果たしている。
石にまったく興味がない人でも
石についての正しい情報を調べたいって人でも
楽しめるこの本、すごいと思う。
そして個人的に読んでて楽しかったのは
鉱物の和名の一覧表。
なんとなく中2病の精神を
くすぐられる名前にすごくワクワクした。笑
「星葉石」とか「薔薇輝石」とか
「海泡石」とか「銀星石」とか、
もうなんか今にも胸元のネックレスが
パーッと光り出して
変身できちゃうんじゃない?って感じの
かっこいい石の和名がずらりと並べられていて
根深いところにある私のオタクマインドが
とても掻き立てられた。
宣伝か!ってくらいごりごりに
熱く押してしまったけど
まったくそんなことはなく、
純粋にこの本の素晴らしさを伝えたくて
このブログを書いた。
ちょっとでも気になった人は
是非読んでみてほしい。
きっと後悔はしないはず。
ちなみにこの本の中で
わたしはお気に入りの石を見つけた。
ラリマーという石で、
光が反射した海の水面みたいな模様が入った水色の石。
「海から生まれた石」と呼ばれているんだって。
あー、なんて素敵なの。
地球が産み落としたものの一部、って考えると
鉱物の世界とはなんて壮大なんだろうと萎縮してしまうけど
途方に暮れるほどのその壮大さにロマンを感じてゾクゾクするし
この本を読んでる間もずーっと好奇心がくすぐられて
とてもいい時間だった。
おすすめ。
ここ最近で一番グッときた本。
いや~、良い本に出会えた。とても良かった。