匂いにも栞がはさめたらいいのにと
思うことがしばしばある。
私は重度のメモ癖がある。
その日見た夢の内容を始め、
街で見かけたなんとなくおしゃれだと思った人の特徴、
電車で聞こえた何気ない親子の会話、
なんとなく気に入った言葉の言い回し、
響きの良い英単語、
いつ活用するつもりなのか自分でもわからない
むしろ2度と見返すことのないようなメモが
私のiPhoneの中にはてんこ盛りにしたためられている。
この間仕事の打ち合わせの待ち合わせ場所が
某ホテルのロビーで、そこに30分早く到着した私は
特に何をするでもなくぼーっと
ソファに座って人間観察をしていた。
普段あまり外に出ず家で仕事することがほとんどなので
こういうあんまり来ない場所に足を運んだ時は
そのメモ癖がいかんなく発揮される。
目が合うとパッとこちらに笑顔を向ける
外国人のおじいちゃん、
朝食を食べに下に降りてきた
寝起きだと思われるクロックスを履いた女の子、
ビシッと決めたスーツを着て
いかにも外資系の雰囲気を醸し出しているパソコンをいじる男の人、
電話とチェックアウトの対応に追われるロビーの受付の人たちを眺めて
「なんか漫画に使えるネタないかな」とぼんやり考えていた。
でも中でも一番印象的だったのが、
そのホテルのロビーの香りだった。
どこからともなくふんわり香ってくるその香りが
とにかく素敵で、この香りをずっと
記憶できたらいいのになとずっと考えていた。
これを書きながら思い出そうとしても
もう全然思い出せなくて、すごく悔しい。
オリエンタルっぽさもあり
清潔感のあるリネンっぽさもあり
ほのかに甘さ?もあって、
だけど爽やかさもあったことだけは覚えている。
とにかく今まで嗅いだことのないような
複雑で洗練された香りで、
この香りがメモできたら似たような香りの
香水を探すこともできるし、
部屋におくディフューザー探しもできるのに!と悶々していた。
こういう風に思うことが本当に多い。
記憶は嗅覚が一番強く結びついているとよく聞くけど
それはこちらが受け身でその香りを感じた時だけであって、
その香りを思い出したい時に自分の記憶から
引き出しみたいに鮮明に思い出せないのは
なんとももどかしい気持ちになる。
私の数少ない特技の一つに
「人がつけてる香水の名前を言い当てる」
があるんだけど、
これがあるから確かに自分の頭の中には
ちゃんと香りが記憶として存在してるはずなのに、
それを自発的に思い出そうとしても
全然頭の中に蘇ってくれないのだ。
それがすごくすごくむず痒く感じる。
もう一度匂いを嗅ぐためだけに、
あのホテルのロビーに行こうかな。
そしてホテルの人に、
これなんの香りですかって聞くのはダメなのだろうか…笑
画像が何もない記事が続いたので
最近ハマったモンマスティーを。
偶然前を通りがかって飲んでみたら
これがめちゃめちゃ美味しかった。
千駄ヶ谷にある紅茶専門店。
(静岡にも1店舗あるそうな)
蓋に付着してカップから溢れそうなくらい
入ってて350円というお得さ。
甘さスッキリで紅茶の香りが
しっかり強くて美味しいミルクティー。
店主と思われるおじさんもとっても茶目っ気溢れる素敵な人だった。
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