2017-11-05

シープマンドーナツ






アメブロをやめて、

今日からここに移動した。



賑やかであればあるほどどうしても

よそ行きの自分になってしまうので

そうならないような静かな場所がいいなと思って。



公式っていう肩書きの華やかさに惹かれて

一度ブログを移ってみたけど

大きい看板を背負ってしまったような気持ちになって

どうも自分の肌に合わないように感じたので

今日連絡をして辞退させてもらい、ここを作った。

今まで静かに書いてた日記のログも、ここに移した。


見てくれてた人には

あっち行ったりこっち行ったりと

ややこしいことをしてしまい申し訳ない。


でもやっぱりこうしてひっそりしてる方が自分は落ち着く。




今日は久しぶりに村上春樹の短編集を読んだ。

小学生のときの朝読書の時間用に

親の本棚から適当に持って行った

「カンガルー日和」。



村上春樹の文学の良さなんて

あの頃は理解できてなかったはずだけど

なぜか当時どっぷりとハマった。

何度読んでも全く飽きなかった。

親の本棚にあった村上春樹作品を片っ端から読んだ。




「読んでる最中は心地良いんだけど

読後感は何も残らない。

それが村上春樹の良さでもあるけど

嫌いだって言う人もいるね」

と父親がわたしにそう言ったのを覚えてる。


たしかにそう思う。

でもそういうところがわたしは好きだったりする。




カンガルー日和に収録されてる

「スパゲティーの年に」の終わり方なんて、

とても素敵だった。



スパゲティーを茹でることに

はまっていた主人公のもとに、

ある日友人の元カノが電話をかけてきて

「今、彼(主人公の友人)は何をしてるのか

教えて欲しい」と尋ねてくる。


主人公はその場をやり過ごすために

何も知らぬふりをして

スパゲティーを茹でているから後にしてくれと

嘘をついて電話を切る。


主人公はあの日、茹でられることのなかった

言い訳に使われたスパゲティーを回想して、

彼女は今何をしているんだろう、

彼女に何もかも教えてあげればよかったかもしれないと思いふける。



そして最後は

「1971年に自分たちが輸出していたものが

『孤独』だったと知ったらイタリア人たちは

おそらく仰天したことだろう」と締めくくられるんだけど

この終わり方がとにかく良い。



小学生の時はただ

「美味しそうな言葉が沢山出てくるなぁ」くらいにしか

思わなかったのに今読むと

「なんなんだこの小洒落た終わり方は!」としびれてしまった。


スパゲティーのことを思い出しながら

感傷にふけってる様子を

「あの時イタリア人が輸出した小麦は、孤独だった」

と表現するなんて粋だなと思う。

こんなの思いつかないよ一生。



他にも良い短篇が沢山あった。

村上春樹の短編はやっぱり良い。

久しぶりに読み返してよかった。




ちなみにこのブログの名前は

「図書館奇譚」に出てくる羊男が

3時のおやつに揚げるカリッとしたドーナツから引用。


読むたびに憎めない可愛さの羊男が

自慢げに差し出してくるドーナツ。

たまらなく美味しそうに感じる。



何かタイトルやらIDやらを決める時

どんなのにするか毎回悩むのだけど、

今回かなりしっくりきて嬉しい。


昔から群を抜いて好きな物語の

登場人物だから尚更に。



シープマンドーナツっていう語呂も

気に入っている。

正式にはシープマンズドーナツなのかもしれないけど…


sheepman donuts って、

売れないバンドの名前にありそうだなぁと

ぼんやり考えてた。


サブカル志向のファンに

シプドって略されてそうだな、とかね。



仮眠から目覚めて、

頭も冴えてきたので今から仕事頑張る。



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