2019-11-03

紙とワイン



ついに、引っ越しが決まった。


もうずっと長いこと引っ越したい~

環境を変えたい~と思っていて

念願の引越しである。



ある日アナザースカイで

石田ゆり子さんが

「お金はただの紙だから、

わたしはお金を経験に換えていきたい」

とおっしゃっていた。

その言葉がわたしの背中を押してくれた。



漫画家という職業って

いつ連載がなくなってしまうかわからないし

こうすれば人気が出るっていうものでもないし

波があるからとても不安定。


たくさん仕事がきた月は

それだけお金が入るけど

少なかった月の翌月は通帳を見て凹むことだってある。



自営業にはどうしてもその波がつきものだから

家賃の目安はこれくらいとか

自分のレベルに見合った物件はこれっていう基準が

どうも掴みづらくて、そのくせ絶対譲れない

住みたい部屋の条件だけはいっちょまえにあるから

「じゃあ今住んでるところのままで

そんなに不便はないしまぁゆっくり

探していけば良いかなー」の繰り返しだった。

だいぶ長いこと決断を先延ばしにしていた。



でも石田ゆり子さんのその言葉を聞いて

確かにお金はただの紙であり、

紙は持っているだけでは

紙以外の何物でもないのだと思った。


だったら少し無理をしてでも

自分が住みたい街に住み、

自分が住んでて今よりも気持ちのよい部屋に

住むことの方が絶対的に良いのではないかと

すんなり思うことができた。



それに多分わたしの性格上

「この暮らしのために何が何でも

頑張らなくてはならない」という背水の陣のような

環境に身を置くことで

今以上に仕事を頑張れる気がするのだ。


今までもずっとそうだった。



あんぜんぱいのぬるま湯に浸かって

怠けものになってしまうくらいなら

常に緊張感を持っていられるほうが

わたしには合ってる気がする。


ということでちょっと背伸びをして、

「ここに住みたい!」と思った物件に

内見もせず申し込みをしてみた。


職業「自営業、漫画家2年目」って

絶対審査落ちるだろってドキドキハラハラしたけど

何事もなく無事に通った。

12月、晴れて引っ越すことが決まった。



新しい環境に変わる瞬間って良いよね。

慣れ親しんだ街での生活が終わる

このなんとも言えない切なさと

次の街でどんな暮らしが待っているのかわからない

ワクワクする感じがとっても好きだ。


今もたまに、前住んでた街に足を運んだ時

その当時の思い出が鮮明に蘇る。

街にも性格や匂いがあるよなって思う。



この冬は歯の矯正に引っ越しにとお金が

ぽいぽいと飛んでってしまって、

しばらくは大好きなコスメも

今よりグッと我慢して節約生活を

強いられることになりそうだけど

その分仕事頑張るぞ~と燃え上がっている。


絵や漫画を描くことの良いところは

手とペンと紙があればお金がかからないことだ。



お金にあんまり捉われながら仕事すると

絶対に良くない方向に行く気がする。

今までと同じく自分が正しいと思う直感や

やりたいことを大切にしていこうと思う。

だってお金はただの紙なのだから。



はたから見たらこれは

甘っちょろい考えなのかもしれないけど

欲というものと常に一緒に過ごすのって本当にすり減るし

単純に自分が疲れてしまう。


「頑張る」と「がめつく」は同義ではない。

その辺は見誤らないようにやっていこう。

守りたいポリシーというものが存在するとしたら

わたしが守っていきたいものはこれだな。

生きてく上でお金は大事だけど、

一番大事なものはそこじゃないってこともわかる。





話は変わって、こないだのこと。

三軒茶屋のuguisuというビストロで

萌ちゃんとごはんに行った。



ガヤガヤした三茶駅周辺から10分ほど歩き

閑静な住宅街の一角にあるこじんまりとしたお店。


中に入ると、アンティーク調のおしゃれな家具と

静かで落ち着いた店内の空気。

物腰やわらかなお店の人たち。


もうこの時点で

「あっ、わたし絶対ここ好きになる」と

私の中の好きなものレーダーが反応していた。



初めて行くお店でアラカルトで頼む時って

一品あたりのボリュームがわからなくて

つい頼みすぎてしまい、最後の方は

フードファイト状態ってことが多いけど


ここは最初から

「おふたりですと前菜から3品、

メインディッシュから1品がちょうど良い量です」

と丁寧に教えてくれたので助かった。


(あとお皿に取り分けた状態で

提供してくれるところも、ああ好きってなった)



わたしたちが頼んだのはこちら。




桃とハーブ、葉野菜のサラダ。






馬肉のタルタル、無花果と松の実。





炙り〆鯖とじゃが芋の一皿。





霧島黒豚肩ロースのロースト、檸檬と生姜のペースト。



もう見た目だけでも伝わるよね、

説明するまでもなしってくらいどれも本当に美味しかった。

丁寧に心を込めて作られてるのが伝わってきて

やっぱりそういうものを食べてる時って

自ずと会話も弾むし、体が喜ぶから気分も上がる。



特に美味しかったのは

お店の看板料理でもある炙り〆鯖とじゃが芋の一皿。


バターでこんがり焼いたじゃが芋の上に

鯖のマリネを乗せたもの。

尋常じゃないくらい美味しくて

一口頬張って思わず萌と顔を見合わせちゃったくらい。

ああまた食べたいなー!



店長さんがお料理に合わせて一品ずつ

ワインを選んでくれて、

どれも耳にしたことのないワインだったんだけど

(そもそもワイン全然詳しくないからほぼ知らないんだけども)

そのどれもがお料理に感動的にマッチして本当にびっくりした。



普段なら絶対に選ばないような

もはやワインじゃなくてフルーツビネガーかってくらい

酸味の強いものでも、

お料理と合わせて飲むと

もうこれ以上ないってくらい美味しかったり。


「これがマリアージュ!」というアハ体験でした。





わたしが一番美味しいと感じた赤ワイン。

feat.写り込み萌ちゃん。


すっかりほろ酔いで良い気分になって、

よっしゃー2軒目行きますかーということで

店長さんにこの辺りでおすすめのお酒が飲めるお店を尋ねる。


店長さんの昔からのお友達で

「とっても美味しくて良い感じのお店ですよ」と

おすすめされて三角地帯付近のワインバー、トロワへ。


店内は綺麗でおしゃれな感じのお客さんが多く、

ご夫婦なのかな?お店の人たちもとても感じの良い人だった。






もうだいぶお腹がいっぱいだったから

チーズの盛り合わせとレバーパテ、

オリーブしか頼めなかったんだけど

どれも美味しかった。


ここもお料理にこだわってて

すごく美味しいらしく、

メニューには美味しそうな名前がずらり。

次きた時は絶対にオムレツを頼む!


uguisuさんもトロワさんも

本当に良いお店で、

お気に入りのお店になった。


三軒茶屋って良い街だー。大好き。

路地裏を歩いてると、

ちょっと良さげな佇まいのお店がわんさかある。


また行こうっと。










この日、母に教えてもらって以来

はまりにはまってる広島の牡蠣醤油海苔を

萌にあげたら、次の日早速食べてくれたようで

「海苔やばい!めっちゃ美味しかった!

彼氏もものすごい勢いでばくばく食べてたよ」

と報告がきて嬉しかった。


これ本当~に美味しくって、

仲良い人に配って勝手に布教活動してる。



おすすめの食べ方は

クリームチーズを巻いて食べたり

卵かけご飯にぶちぶちちぎって入れて食べたり。


マルヒャクさんの牡蠣醤油海苔、

本当に美味しくて最高。

(パッケージがそっくりなものが

違うところから出てるらしいけど、

うちの母の激推しはマルヒャクらしい)





萌と会う前に打ち合わせがあったから

海苔を片手におしゃれシティー青山を闊歩するわたし。


打ち合わせ先の人に海苔を持ってると悟られるのが

恥ずかしくて、おしゃれな黒い紙袋に入れるという

ささやかでくだらない見栄。笑



おしまい!



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